【2023.10.15】vol.59 わからないことだらけの物語

日々折々

【2023.10.15】vol.59 わからないことだらけの物語

新しい引越し先が見つかって、申し込んだ。ひとつ変化の時期かもしれないと思った。少し広めの部屋で、条件は悪くない。変化していくことに久しぶりにワクワクしている。やるべきことがたくさんありそうだ。1つ1つ、小さく分割して片付けていこう。

複雑な状況を抱えたお客に当たって、対応が大変だ。支えてくれるボスや先輩に本当に感謝だ。自分ひとりじゃ何もできないし、心もとなく頼りないけど、話を聞いたり、周りに相談したり、自分にできた小さなことはいくつかあると気づく。

手探りのこの毎日が落ち着くときなんてないかもしれない。すべては道の途上だ。being on the way。「分からない物語にビビらないで」という歌詞がなんだか響いて、自信や勇気や元気になる。毎日がわからないことだらけの物語だ。そういう物語の中を、自分が冒険している。変化している自分がいる。立ち止まってる時間もないな。

少し小さなため息を吐く。それはたぶん呼吸している証。生きている証だ。

新しい賃貸契約の見積書をみて、コストカットを試してみる。言うだけ言ってみる。そういうことに時間を使うことは有意義かもしれない。

昔の知人とメールやLINEでやりとりをする。考えてみれば、画面の中にしか存在していない相手だ。たとえば、AIが代わりに返信していたとしても、わからないものだ。会ったことがあるという記憶や、相手の存在を信じる気持ちが根底にあるから、自分の中で相手は存在している。その記憶すらぼやけて信じられなくなってきたら、その存在は消えてしまう。儚いかげろうのように。忘れてしまう。そしてまた、都合のいいように記憶を編集して思い出すこともある。物語を創って、相手の存在を作り出す。たぶん自分の脳は、そういうことをしている。スピッツの「楓」のメロディが響く季節になった。

半年ぶりに旧東海道の散歩の旅。神奈川宿から保土ケ谷宿を経由して戸塚宿まで。4時間半ほど歩いた。このあたりまで来ると、旧道は民家が立ち並ぶただの生活空間で、旧東海道の面影を感じない。道には人の手入れが必要なのかもしれない。道は人が作り出し、人が使わなければ自然の大地に戻るのだろう。