旅程:2026年5月2〜6日
■僕らの旅が、ずっと続きますように
映画「青春18x2」を観て、印象に残った台詞がある。「僕らの旅が、ずっと続きますように」。この映画は、『旅』と『台湾』と『ミスチル』という私の好きなものが全て掛け合わさって、ひとつに結晶された作品で、運命めいたものを感じた。その舞台のひとつが、台湾の南部にある街「台南」であり、いつか台南を訪れてみたいとずっと思っていた。
もうひとつ「路」という小説では、台湾に新幹線を走らせるという物語で、それを読んで以来、台湾新幹線に乗ってみたいという思いがあった。
連休で5日間の旅日程ができ、それならば、新幹線に乗って台南へ行こうと思った。旅のはじまりである。
■旅に効率はいらない
成田エクスプレスに乗ればラクに速くいけるけれど、別に急ぐわけでもなく、お金も安くいけるからローカルでいってもいいか、でもやっぱり成田エクスプレスが、とかウジウジ悩んで、武蔵小杉を通り過ぎ、渋谷駅でやっぱり乗るかとバタバタあせっていた。なんか、旅立ち前から焦っていて、ぶれているのが気になった。
結局、渋谷から成田エクスプレスに乗り、座席で一息ついたとき、これが正解だったなと思った。お金を節約することよりも、お金を使って、ゆとりという時間を買い、疲労防止という健康を買う。そういう思考が今の自分には必要のようである。
地球の歩き方を読んだり、ネットで旅情報を収集したりしながら、あれもこれもしたいと欲が出てきて、頭の中で、「旅の効率」を求め始めた自分がいる。そわそわと焦り、足元も浮ついている。ふと冷静になった。落ち着け、落ち着け、クールダウンが必要だ。旅に効率は要らないのだ。時間をたっぷりかけて、遠回りしていこうぜ。
成田空港の第三ターミナルは、すでに20時過ぎで、連休中だけれど、残りのフライトもほとんどなく、思ったよりも閑散としていた。これはこれで悪くない気もする。
機内では、初めて非常口座席にあたった。非常時に手伝いの役割が与えられるらしく、足元に荷物が置けないのかと知った。その分、座席スペースが足を伸ばせるくらい若干広めで、オトクな感じもした。
22時40分にジェットスターは離陸。寝ておこうと思いつつも、眠れているような眠れていないような微妙なふわふわした時間だけが過ぎていく。夜便はなかなかしんどい。することもなく、気がついたら着陸アナウンスが流れた。
■深夜の空港にて
未明1時に到着。入国カードを書こうと思ったら見つけられず、イミグレの前でみんながスマホをいじっているのをみて、なんだ?と思ったら、壁にでっかいQRコードのポスターが貼ってあった。そうか、ネットで申請するのか。だいぶ変わったなぁと思い、焦りながらも何とか入力して、入国審査を通過した。銀行もすべて閉まっている時間帯で、小銭を手元にもっておきたいと思い、ATMで1000元を引き出す。
1階のフードコートの座席で、仮眠をとる人が大勢いた。ちょうどいい席を見つけて、横になるが、あんまり寝付けない。ウトウト眠っては目が覚めて、硬いベンチで身体も痛くなる。気がついたら4時半になっていた。すぐ横の「一乃軒」というカフェでホットコーヒー65元を買って、コーヒータイム。
今回、初めて海外用のe-SIMを利用。サクッとした調べ物に便利だと実感。5時半になり、そろそろ動き出す。銀行窓口も空いたので、10万円分を両替して、MRT駅へ。始発電車が動き出した。
■南へ
今回は、台南へ向かう。そして初めて台湾新幹線を利用してみる。桃園駅で当日チケットもスムーズに買うことができて、便利な仕組みだと時間。小さい子どもが初めて新幹線に乗るような、そんなワクワク感が自分の中で蘇る。駅のセブンイレブンで、コーヒーと台湾おにぎりを購入。店員さんは、おにぎりを電子レンジで温めることを教えてくれた。彼のネームプレートには「先生」と書かれていた。
新幹線は清潔で快適だ。乗り心地もいい。6:47に出発、指定席で1200元。日本よりも安く感じられる。景色を見たり、眠ったり、コーヒーを飲みながら、列車は南へ。高雄にいったのは2003年のことだから、あれからもう23年の歳月が流れている。最近は、台湾にきてもタイペイあたりをウロウロすることが多かったから、新しい旅のカタチだなと思った。地方やローカルをめぐる、第二段階に進んだ。台湾旅行2.0みたいな感じだ。
■台南を歩く
8:26台南駅へ到着。気温が高く、夏を感じる。新幹線駅から台南駅をつなぐローカル線は、古びていて素朴で、地域で暮らす人たちの日常がある。
台南駅は古びていた。