【2024.01.14】vol.72 PERFECT DAYS

日々折々

【2024.01.14】vol.72 PERFECT DAYS

映画「PERFECT DAYS」を観た。とても良い映画で、好きな映画の一つになった。平山という男のシンプルな日常。こんな風に自分も生きたいと思った。朝目覚めて、きっちり仕事し、ひとっ風呂浴びて、1杯やり、本を読んで、眠る。その淡々とした繰り返しが、幸福に満ちているように見えた。孤高のようで孤高ではなく、他者とのささやかなつながりが確かにあり、人に泣いて、人に笑うときもある。木漏れ日を捉えて、そこに美しさと変化を見る。お金や名声ではなく、自分の中にある物差しで生きていく姿。これからの自分に大きな影響を与えそうな映画だった。

20年前のニュージーランドの旅行記がまとまった。1つの果実になった。言語化したことで、モヤモヤしていた過去が、多少なりとも意味のある経験に落ち着いたような感覚。言葉にまとめる作業を通じて、見えてきたものもある。何度でも何度でも自分のペースで書き直していこう。

来週いよいよ引っ越しで、10年暮らしたこの部屋を出る。10年という歳月のことをふと思う。

妻が不安をポロッとつぶやき、自分はまた余計な一言を言ってしまったかもと反省する。ただ受け止めることだけでいいのかもしれない。そういう小さな共感くらいがちょうどいい。無視せず、深入りせず、中庸な自分であること。自分に何か特別なことができるわけではないのだ。

「葬送のフリーレン」で印象に残った言葉。「想いは言葉にしないと伝わらない」「私は今の話をしている」。

小林紀晴著「アジアン・ジャパニーズ2」を読んでいる。前著を読んだのは大学生の頃だった。文体や感性が何か少なからず自分に似ているような気がした。無意識の中で影響を受けているのかもしれない。

ここ数日、映画「PERFECT DAYS」のことを何度か思い出している。あの映画はやはり自分に何か痕跡のようなものを残している。