【2023.09.10】vol.54 たゆたう心

日々折々

【2023.09.10】vol.54 たゆたう心

綱島にある喫茶店「カルディ」へ行った。喫煙可は少し気になるけれど、静かな空間で居心地がよかった。たしか10年くらい前に友人と初めて訪れていたから、それ以来の再訪だ。ここにも10年の月日が横たわっている。座席もマスターも変わらず、その場所にあり続けていて、そしてまた変化をしているのだろう。

突然、家の浴室のシャワーハンドルが壊れてしまい、水が止まらなくなってしまった。夜中に管理会社に電話し、ホームセンターで水栓ドライバーを買い、栓を締めたら何とか止まった。翌日、水道の修理屋さんが来て、直してくれた。管理会社や修理屋さんの手早い対応に感謝だ。

喉の調子が悪く、接客中も声がガラガラ。ボスがそれに気づいて、気遣って、声をかけてくれたことが、何だか嬉しくて、ありがたいような気がした。

長濱ねるさんの新作エッセイ「たゆたう」を読んでいる。著者の人柄の真っ直ぐさが伝わってくる。文体というのは、その人の人間性を現わす気がする。もがいて、迷い悩める日々が、素直に自分の言葉で書かれているように感じた。関わる人の優しさや人とのつながりを発見して、そこに幸福を捉える感性がある。たゆたう心は、自分にもまだ多分あって、ふらふらして、ふわふわしている。

仕事で不慣れな案件にぶつかる。周りの人に助けられて乗り越えた。組織は大きい。自分が知らないこともたくさんある。見えないところで、いつも誰かに支えられている。答えはあるべき場所にあったりする。転んで、それを学んでいける。今はそういう時期で、これから先も多分同じような感じだろう。

9月はアルバム「Q」の季節だ。17歳の秋のことを思い出す。

昨日の帰り道のこと。降り始めた雨の中、男子高校生が傘をささずに、ずぶ濡れのまま、自転車で突っ走って、眼の前を通り過ぎていった。なんだか青春を感じた。夏の夕方時の土砂降り。ただどこかへと夢中に向かうその姿が、なんとなく羨ましかったような感覚が残った。

こうして日々思ったことを書き残して綴っている。忘れてしまうことが多い日々の出来事を、また自分の感情を、日々の中につなぎとめる。それをただ繰り返す。未来の自分がたまに読み返す。それは過去から未来へ、時間を超えて届くメッセージだ。タイムマシーンのような、タイムカプセルのような。過去の自分が語りかけている。