【2023.05.07】vol.36 日々は続いていく

日々折々

【2023.05.07】vol.36 日々は続いていく

たまに近況報告し合うLINEが、手紙のように感じる。戻らない返事に寂しさはある。つながりは、いつしか遠くなり、心が離れてしまうことは仕方がないことなのかもしれない。終わってしまう人間関係もある。失ってしまったものもある。忘れないことしかできない。

20−30代は、人生の研修期間。40代は、人生の本番だ。やりたいことを今すぐできる年齢だ。自分はそのステージに立っている今だ。

昨日の仕事は、なんだか気疲れした一日だった。席に座ってしまう時間が長かった。自分の足が動かず、口が重くて開かず、自分から人に関わることもできず。積極性よりも、慎重や遠慮が勝ってしまう。「来週から窓口できそうか?」ボスの会話が聞こえてくる。できるできないは分からないけど、やるかやらないかなら、やるだけだろう。

職場から駅までシェアサイクリング使えるんじゃないと気づき、やってみようと思った。少しワクワクが生まれた。いろいろ試してみようぜ。

燃え殻さんのエッセイ「それでも日々は続くから」を読んでいる。不器用な人がいる。それでも生きていて、日々を続けている。そんな人は世の中に意外とたくさんいて、自分もそうなのかもしれないと思った。そして生きている。答えなんかなくて、ふらふらしながら迷い続けている。それでもいっかと考えたりしている。

5年以上使っている自宅用のマグカップ。スタバで買ったもの。良いデザインだとふと気づく。

イマイチだった月曜日より、少し良くなった火曜日だった。苦手な相手にビビるけど、まともで善良な人たちはもっと多くいて、その人情に救われている自分がいる。

やらなきゃできるようにならない。ボスのそんな言葉が、本質と本音をえぐる。正しい。自分も同じ考えだったことに気づく。プレッシャーもある。ありがたいという感謝の気持ちもある。椅子に座って何もしなくていい窓際おじさんにはまだなりたくはない。

高校時代に組んだバンド「Blind Force」。人生の中で、やってよかったと思うことの1つは、あのバンドかもしれない。活動はわずかな短い期間で、40年の人生の中の一瞬の灯りのようだけど、記憶に鮮明に残っている。

映画「生きる living」を見た。余命宣告というタイムリミットは、逆に人を突き動かすのだろうか。いくら遊んでも充実感が生まれない。与えられた場所で、与えられた仕事をやりきるという当たり前のことが、充実感を生む。息子に言い出せない父の姿が、自分の人生に重なってくる。後回しにしてしまったことは、いつまでも残ってしまう。取り残された人たちが一瞬やる気になって、その直後で、やっぱり変わらいないことに気づく。たらいまわしなお役所仕事が印象に残る。手紙には「我々の仕事は残るものではないけれど、迷いそうなときは、あの遊び場のことを思い出してほしい」と書かれていた。後回しにしていることを、後回しにしなくなったとき、それが「生きる」ということなのかもしれない。

横浜駅のレストラン「 smoke door 」で少し贅沢な朝食。薪で焼いたブロッコリーとネギが本当に美味しくて、いくらでも食べることができた。接客も素晴らしく、上質なひとときを過ごすことができた。こんな時間やお金の使い方が、たまには必要で、40代らしさかもと思った。

明日から台湾に行く。5年ぶりくらいに海外に出る。コロナを越えて、旅の再出発だ。弾丸で、寝る場所さえまだ決まっていない。少し不安になっている自分がいる。眠れない夜を越えて、眠らない夜を楽しむ。

時間を置いて、返ってきたLINEの返信が、世界を変えた。こうやって、日々は続いていく。