【2023.04.02】vol.30 それはとても晴れた日で(退職メモ)

日々折々

【2023.04.02】vol.30 それはとても晴れた日で

離任式。生徒の前、壇上であいさつをしていた金曜日の自分。60点くらいだっただろうか。なんだか辿々しい。その記憶さえも薄れてしまう。美術の先生は慣れないギターを弾いて歌う。「もっと恥をかいていい」と身体を張って伝えていたのを見て、いい先生だなと印象に残った。

3ヶ月前からモヤモヤしていた仕事が、クリアになった。主体的に自分が動くことで進んでいく。

本「小説十八史略」が面白い。独裁者が美女に夢中になって国が滅びる。嫌いな相手に対する私情をたぎらせて正しい戦略をとれずに戦争に敗れる。登場人物たちはそんなことばかり繰り返している。それを冷静に眺める自分がいる。でも自分が当事者だったら似たようなことをしやしないか。歴史の教訓から学ぶ。

事務室で二人きりになった瞬間に、Coccoの「Rainning」のメロディーが流れる。あれは、小学校6年生のときの記憶。教室で誰かが笑ってた、それはとても晴れた日で。美しさがある。人が感じる美みたいなもの。分かっているようで、よく分からず、春の陽差しの中で、ふわふわしている。

職場の人たちといろんな話ができた日。「やっぱり、話してみないとわからないな」というあの人の言葉を思い出した。

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【退職直後の所感メモ】 2023.3.31 17:43 中原図書館の机にて記す

今の職場での任期が今日で終わった。1時間ほど経った今、図書館の席に座って、ノートにペンで書いている。帰りのバスも電車も、いつものルーティンとは違って、ぼんやりふんわりとボケーっとしているような、浮ついてふわふわしているような、力が抜けた感覚だ。職員玄関でお見送り。たくさんの人たちに笑顔で見送られた。それが、たぶん嬉しい。つながりを感じたのだろう。温かさみたいな、優しさのような、送る人、送られる人。自分はここで何をしていたのだろう?仕事していたのだろうか。何かできただろうか?縁の下で見えないところで、日陰の中で、目立たないように、ひっそりと息を潜めて、当たらず触らず、おんぶにだっこ、なんか守られていたのだろう。先生たちの活動を間近で見る。それは、焦りから、逃げに変わっていった。3年間。学校ってやっぱりいいなと思っている。教員という仕事に向き合ったようで、逃げて避けてきたみたいな日々。ふんわりしている。本気になれやしないみたいなこと。一つの答えは、学校を離れること。親睦会の空気にもうまく馴染めなかった。心のなかに壁を作っていた。壁だ。避けて、逃げて、隠れている壁。かくれんぼしている。それに息がつまりそうになった今日の昼間だった。ピークエンドの法則みたいに。ただなんともなしに、ひとつの終着にホッとしていて、感謝している自分がいる。

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