【2024.03.10】vol.80 6年間の帰り道

日々折々

【2024.03.10】vol.80 6年間の帰り道

娘の保育園の卒園式。生まれて3ヶ月ですぐに保育園に入り、6年間の歳月を過ごした場所。無事に元気に成長してくれたこと、ただそれだけで嬉しい。園歌を聞きながら、さまざまなことを思い出して涙が流れた。子育ては、大変で時間も取られてほとんど思い通りにいかなくてイライラもして疲れるけれど、ときに子どもがいてよかったと思える瞬間が必ず訪れる。卒園式のような節目であったり、ささやかな日常の中にそれがあったりする。流れ星のように輝く一瞬がある。なんだかんだあるけど、よかったかな、と。保育園や先生たちや周囲のパパママの存在に感謝だ。

ドラマ「VIVANT」にハマってきた。旅先で知り合った知人におすすめされたことがきっかけだ。誰かにすすめられたものに手を出してみると、新しいものに出会えて、人生はまたひとつ面白くなる。

職場では春の繁忙期が始まりつつある。待ち人数や待ち時間を見て、果てしなさを感じる。感覚も狂ってくる。なんとかする、なんとかなる、それしかできない。やりとげるだけだ。いつか終わりは来るし、時間は必ず過ぎてゆく。「関心の輪」と「影響の輪」をしっかり区別して、自分にできること、自分が変えていけることに集中する。ただこの1ヶ月を乗り越えていく。やればできるはずだ。

「チャッター」(イーサン・クロス著)という本を読んでいる。自分の内なる声が、ときにネガティブな感情を生む。そういうときは、距離をとる。自分のことを「私」ではなく、「名前」であったり「あなた」や「彼」と呼びかけて、他人になりきってしまう。そうすると、思考が冷静で客観的になることを知った。これは続けていきたい。

渋谷IKEAの最上階にあるレストランがよかった。喧騒とした街で、休憩する場所としてはベストだ。コーヒーも安くて美味しい。静かな時間を過ごす秘密基地になる。

神宮外苑にある「聖徳記念絵画館」へ。重厚な建物と、絵画の展示がとても見応えがあった。明治という時代の濃さを感じる。たとえば、かつてキリスト教の教会にある絵画は、文字のわからない一般の人々に物語を伝える役割があった。ここも似ていると思った。絵画は、文字よりも、ときに多くの強いメッセージを発し、見る人の心に語りかける。明治日本に誇りをもてる良い体験になった。

娘の保育園の送り迎えをしながら、今日が最後の日かもしれないと思う。6年間の帰り道。年月は流れている。時間は巻き戻せないこともよく分かっている。そして感慨深くなる。次のステージへ進む。

仕事で「初心」を忘れかけていることにふと気づいた。何にも囚われない心、それを維持することを忘れている。変化や新しいこと、未知の領域を嫌がる気持ちが、自分の中で生じ始めてやしないか。変化していくことを決めたのは1年前だ。それを忘れないようにしたい。変化していく中で、自分は強くしなやかにありたい。